日本語キーボード考(改)2007年09月14日 09時45分

 前記事 ”日本語キーボード考”

 キーボードはJIS配列で決まりっ!

 …かと思いきや、やっぱり「これぁ、アカンで」と
いう一派も出てきて。
 ワープロ専用機時代に考案された、親指シフト
配列のキーボード
が対抗馬でありました。

 ”親指シフト”
 (別窓で開きます)

 ワープロ専用機がなくなって以後、このキーボード
を見ることもなくなりましたが…。

 特徴は、かなの配列をホームポジションを真ん中
として、上段、下段の3段の範囲に押さえて、指が動く
範囲を狭くしたこと。
 そうすると、キーの数が足りなくなるので、2個の
キーの同時打ちで一文字という打ち方も取り入れて
ます。

 よく使う文字は1個のキー打ちでできることにして、
2個のキー打ちでも右手と左手の負荷を分散してやる
ことで、無理な力を入れずに素早い入力ができるよう
に考えられたキー配列です。

 昔、商工会議所主催の、ワープロ検定というものが
ありましたが、JIS配列でも親指シフトでも受験できて、
実技科目の入力問題では、親指シフトの方が圧倒的に
有利と言われていたくらい実績もあります。

 しかし、これは沢山、キー打ちをするプロには受けました
が、一般にはそれほど普及しませんでした。


 理由は、これの特許を押さえた富士通が独占しよう
として、他のメーカーからソッポを向かれたこと。
 ユーザからしても、富士通だけの独自キーボードと
なると手が出にくい、ということになります。

 国民の財産となるべき日本語キーボードの発明が、
一民間企業の特許施策によって死蔵されることに
なったのは、仕方ない面もありますが、とても残念。

 なお、合理的な配列の親指シフトは今でも支持され
ていて、JISキーボードを親指シフトとして使うための
エミュレータソフトなども開発されています。

 ”NICOLA日本語入力コンソーシアム”

 また、本家富士通も、エミュレータを含む日本語
FEPを販売してたり。

 ”富士通 Japanist”

 で、こないだ、Linux の入門雑誌を見ていてビック
リしたのが、入力設定SCIMで、親指シフト方式が
選べるようになっていること。
 まだまだ、しぶとく生き残っています。(笑)

 (この項 つづく)

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