特許・商標のトリビアその27:パテントマフィア2007年08月18日 01時02分

『特許・商標のトリビアその27』

 日本企業は、アメリカではパテント
 マフィアに悩まされている


 アメリカに進出した日本企業が90年代
に、とても悩まされたのがパテントマフィア
というものでした。

 アメリカでは個人の発明家も熱心に
特許を取っていたりするんですが、これ
をネタに買い上げて、日本企業を相手に
特許侵害の警告をしたり損害賠償の訴訟
をしたりして荒稼ぎをする組織がパテント
マフィア
です。

 特許技術を使っているといえるかどうか
は、とても微妙な問題のはずで、専門家
でも判断が分かれる場合があるほどなの
ですが、アメリカでは、この裁判でも陪審員
が評決を出すんです。
(日本では、民事裁判には裁判員はつきま
せん。 特許の裁判では、侵害問題を専門
に扱う裁判官が判決することになってます。)

 一般の市民からクジで選ばれた陪審員は
素人さんなので技術のことは判りません。
 ただ、訴えたのがアメリカの個人発明家で
その発明を盗用して儲けている相手が日本
の大会社、となると、先入観が入るのは避け
られないでしょう。

 そこで、技術的理解よりも、いかに素人の
感情に訴えるプレゼンテーションができるか
で勝敗が決まってしまう、という奇妙な流れ
ができてしまいました。

 さらに加えて、アメリカでは懲罰的賠償
いう制度があって、陪審員がけしからんと
思えば、懲らしめのために賠償請求金を3倍
に引き上げたりできるものだから、大変です。

 儲けを全部持っていかれた上に、その倍だけ
持ち出しになりますから、大ダメージです。

 最近の状況はどうなんでしょうね…。



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特許・商標のトリビアその26:欧米か!2007年08月16日 20時10分

『特許・商標のトリビアその26』

 特許制度が創られた理由は
  日本が欧米に追いつくためだった。


 トリビアその5で触れたように、特許制度
は、優れた発明を世の中に吐き出してもら
うための仕組みでした。
 日本で、特許制度が初めて作られたのは
明治時代。 その実際の目的は…

 「欧米か」 いや欧米化、だったという話。

 江戸時代に刀を振り回していた日本は、
ペリー率いる海軍の圧倒的な軍事力には
とても太刀打ちできませんでした
 軍事力を背景に、屈辱的な条約を結ばさ
れた明治政府の眼にちらついたのは、お隣
の強国、中国(当時は、清)が列強諸国に
切り取られていく様子でした。

 明治政府にとっての悲願は、なんとか
富国強兵を成し遂げて、一人前の国として
欧米に認めさせ、先進国の仲間入りをする
ことでした。

 そのための第一関門が、欧米風の法律
制度や、特許制度を作ることだったという
わけです。

 もし特許制度がないとどうなったでしょう。
 先進国の企業が日本に進出しようとしても、
1台目を売るとコピー製品が安くに出回って
商売になりません。だから、先進国の投資が
されなくなるのです。

 そこで特許制度を導入することで、先進国の
投資を確保しながら、国内メーカの技術レベル
の向上を図りつつ、いつかは欧米に追いつけ、
と将来に夢をつないだわけですね。
 独占権は20年で消えるわけですから。

 実際、特許制度の導入初期には、特許を
申請するのは外国企業ばっかりだったそうです。

 ロータリー・エンジン技術を導入したマツダや
ナイロン技術を導入したテイジン(元 帝国人絹、
人絹は人造絹糸の略ね)など、先進国の技術を
導入して力をつけたメーカはたくさんあります。

 特許制度は、明治政府の狙い通りに日本の
産業振興に役立ったということでしょうね。



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特許・商標のトリビアその25:パソコン電子申請2007年08月10日 01時01分

『特許・商標のトリビアその25』

 ネット経由でパソコンから申請できる

 私も未経験で、きちんとした説明にならない
んですが…

 発明の説明書をパソコンで作って、ネット
経由で、特許庁へ申請ができるらしいです。

 ”特許庁”
 (別窓で開きます。「パソコン電子出願」の項)

 特許庁は役所の中でも、たぶん一番早くに
電子申請を取り入れた所だと思います。
 なんせ、インターネットが普及する前、ISDNが
騒がれた頃に、申請専用の電子端末と、とISDN
回線の組み合わせで電子申請を実現してます。

 ただ、この電子端末が非常に高価だったので、
とても個人に手が出せるものじゃなくて、申請を沢山
出す大企業とか、専門職の弁理士事務所ぐらい
しか使いませんでした。

 その後、パソコンの高性能化と、インターネットの
ブームが来たことで、最近は、パソコンからネットを
使って電子申請もできるようになっています。
 申請のためには専用のソフトが必要ですが、
誰でも無料でダウンロードできます。

 実は、特許庁は、長年、紙の書類の山と
悪戦苦闘してきた経験から、早くからIT化に
取り組み、申請の蓄積をデータベース化して
審査の資料として使ったり、CD公報やDVD
公報を出版したりと、IT活用がとても進んでい
る役所なんですよね。



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